2010年5月4日火曜日

スイミング・プール

僕は、映画を観るときには予告編には触れないようにしている。
もしも「衝撃のラストが!」なんて、もう観れない。
なぜ監督は衝撃のラストを用意したのか!
でも映画のレビューを書くときは、地味になるので、予告も付けています。ごめんなさい。


例えばオリンピックなんかでも、編集された映像は見たくない。
第一レースが終わり、第二レースが始まる。その間は無駄じゃない。
前のレースを振り返り、次のレースに期待を膨らませるためで、急いではいけない。

「スイミングプール」は観る人に考えをめぐらすための時間を与えてくれている。
展開を急ぐ必要はない。
起こった出来事を頭で整理し、登場人物の所作に想像を膨らませることに、この映画の楽しみがある。

またこの作品では現代のブリジット・バルドーである若きリュディヴィーヌ・サニエもじっくりと堪能できる。決して並外れた美しさを持っているわけではない、ただ、男であれば、魅了されずにはいられない。

女性と男性それぞれの目線を持つフランソワ・オゾン監督はすばらしい監督で、日本映画にも似た、フランス映画伝統のリズムを作る。

たっぷりとある時間の中で、自分には真実を見る目があるのか、この作品で試すことができる。

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