ストレスに、押しつぶされてしまう人がいる。
しかし、ストレスは適度に与えられるべきであり、ストレスのない生活ほど大きなストレスを感じることはない。
ストレスには肉体的なものと精神的なものがあり、その結果に充実感を得られなければ、人間は大きなダメージとして、そのストレスを負うことになってしまう。
イレイザーヘッドとエレファント・マンによって監督としての地位を獲得したデヴィッド・リンチ監督は、前監督の代わりという形で、製作総指揮を務めたイタリア人映画プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスによって、この作品の監督にそえられた。
僕は原作は読んではいない。原作者、原作ファンには、この作品は駄作として評価されている。
この映画は最終決定権をリンチ監督が持たなかったために、劇場用に短く編集されてしまった。
編集技術は素晴らしい。ただこれでは展開が早過ぎた。
最低でも倍の5時間、もしくはドラマ化すべきだった。
しかし、リンチ監督の基本的技術とインテリジェンスによって、映画ファンには駄作ではなく傑作と見られることが多い。
ただ、アイデアを出し切れたかというとそうではないように思う。
確かに芸術的なシュールレアリスムを魅せるものの、リンチ監督は音楽にブライアンイーノとTOTOがいたために、その暗闇のノイズをあまり出せていない。
とはいえ、心の声をステレオで左右に揺らすアイデアや、費用を十分にかけたセット、衣装などは今でも十分に通用する。
デヴィッド・リンチ監督のファンならば、見逃すことはできない偉大な失敗作。
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