2010年5月24日月曜日

戦場にかける橋

努力しても、身を結ばない、なんてことはざらにある。結局努力は自分を安心させるためで、しなくても安心できるならばしなくたっていい。ただ、失敗すれば、それについて考える。努力に裏切られたと思うのか、精一杯やった自分に満足するのか、それとも足りなかったのか。いや、他に問題があったのか。

僕はサッカーをやっていた時、精一杯努力したつもりだった。いや、努力している、という自分に満足してしまっていたのかもしれない。自分への失望は大きかった。

この映画に登場する斉藤大佐はプライドを傷つけられ、失望する。しかし、日本の掛け軸を大佐と同じ画面に横並びで映すことで、日本人としての誇りを傷つけられたことを意味し、またその誇りをすべて失ったわけではないということを表現している。

映画の後半では、テンポを遅らせ、音楽を減らし、鳥の鳴き声などの自然音を多く入れている。
ゆったりとしたリズムは、戦争による殺人は罪になるのか、を観客に考えさせる狙いがあり、台詞を減らし、音楽を入れないことで、銃や火薬による爆発音をより際立たせる。

衣装もよくできている。ほぼすべての登場人物が着ているサファリシャツは汚れ具合に差をつけることで、階級の違いを表している。

もしも橋を作らなかったら?いや、後悔したとしてもこの壮大な努力はきっと必要だった。
悪いのは努力をしたほうじゃない。

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