大きく成功した作品の後というのは、その監督の本当の実力がわかる。
たまたま他の作品からの猿真似がヒットしただけなのか。
それとも本当に基礎技術とアイデア、インテリジェンスを備えていたのか。
ジョン・ウォーターズ監督は過去の作品から基礎技術を学び、肥溜めの中からに光るダイヤモンドのようなアイデアを、そのインテリジェンスをもって最高の作品へと昇華している。
この映画はセンスの塊のような映画だ。
チープで、エレガントで、クラシックで、モダンで、上品さはないけれど、とてつもなく下品だ。
異なる要素を感じ取ることができる作品を作るのは、たとえ偶然だとしても、簡単ではない。
この映画のために書き下ろされた主題歌、素晴らしき70年代前半の衣装、ジョン・ガリアーノが地味に見えてしまうほどのヘアメイク、すべてが最高といえる質を持っている。
自分の子供のヘソの緒を噛みちぎり、姑を誘拐し、腕を切断する。
顔に硫酸をかけられ、醜くなった顔を見て、友人たちは前よりも美しいと言う。
こんなに素晴らしいことはない。

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