2010年5月5日水曜日

ミスター・ロンリー

カート・コバーンは増えすぎた観客の歓声の大きさと自分の弱さとの違いを嘆いた。エリック・クラプトンも同じだという。
表現者は、弱さを持っている。いや、人とは違う圧倒的な弱さがないと、優れた表現者にはなれないのかもしれない。

表現者達は、いつも一人で戦っていて、それは、孤独によって自己のクリエイティビティを限界まで引き出せるからだ。

ただ、孤独を愛していて、孤立も同様に愛しているかというと、そうではないように思う。
孤立にたえられず、常に仲間を探しているが、集団での生活に嫌悪感を抱き、集団の外に出て、孤独である自分にナルシシズムを感じる。しかし、すぐにまた孤立を感じ始める。

この映画のオープニングはとにかく美しい。
Bobby vintonの「Mr.lonely」にのせて、マイケルが人形のバブルスを紐でつなぎ、サーキットをキッズバイクで走る。ただそれだけで、このオープニングは鳥肌が立つほどの美しさを誇る。

ハーモニー・コリン監督は偉大なオープニングに負けないだけの本編も作り上げた。
しかし、この美しさに映画界から与えられた賞はなかった。

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