オーネット・コールマン、サン・ラ、エレクトリック期のマイルス・デイビス、、、
「普通」の音楽を聴いていると、いかに既成概念を否定するか、ということに重点を置いた音楽が聴きたくなる。
しかし、すべてを規律からはみ出させるのではなく、どこかに規律を持たせなければ、作品としての機能を維持することは難しい。
「ピンク・フラミンゴ」は、パンクではなく、フリージャズで、素晴らしいアイデアとイマジネーションが自由に行き来する、大衆向け映画への皮肉的なコメディ作品であり、ゴダールなどのアートムービーを愛するジョン・ウォーターズ監督のインテリジェンスを感じさせる作品でもある。
ただ単に悪趣味を並べるだけではなく、度を越えた下品さを当然のように行わせることで、映画における波をできる限り揺らさずに、作品のリズムを統制している。
また、衣装、ヘアメイク、セットなど、細部を枠からはみ出させないことで、鑑賞に堪えられる質の高さを映画を通して保持している。
この映画は最低で、映画フリーク以外にはおすすめできない。
ただ最低な映画とは、何もなかったかのように消え去ってしまうコマーシャル主義なアイドル映画とは違う。
裸で外を歩き回ることが、いかに正常な行為だったか気づかされるだろう。
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