2010年4月27日火曜日

ブルーベルベット

朝起きて、テレビをつけて、ニュースを見る。夜、家に帰り、テレビをつけて、ニュースを見る。
テレビの中で起きている事は、現実に起こっていることなのだろうか。

いや、平和の中にこそ、狂気に満ちた事件は起こる。

アンドレ・ブルトンはシュールレアリスム宣言の中で「不可思議こそ美しい」 と語ったが、デヴィッド・リンチ監督はそれを映画において不可思議をただ羅列するのではなく、シュールレアリスムを意図のある不可思議に昇華することで、彼独自の美しさを表現している。

例えば、この映画には、アパートを訪れるシーンがある。目的の部屋は7階で、エレベーターはない。
階段を上り始めたところでカットが切り替わり、目的の部屋へ到着する。
息はひとつも上がらず、汗もかいていない。
現実か、それとも、、、

人間が生きていてもっとも不可思議が起きやすい行為は、夢を見ることで、そこでは予測できることは起こらない。

しかし大事なのは、夢と現実をしっかりと区別することで、超現実にみせらないという強い意識でもある。

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