いつか空から天使が降りてきて、苦しんでいる自分を救ってくれるのではないか。そう思うときがある。
でもそんなことは残念ながら起こらないし、もし仮に天使がどこからか現れても、天使にすべてをゆだねるのは間違っていて、結局のところ、最後の判断は自分で下すしかない。
この映画には天使が現れて、苦しむ人を救ってくれる。
しかし男は女のことを天使だと信じないために、回り道をしてしまう。
ヌーヴェルヴァーグの作家たちから尊敬を集める溝口健二監督は、カメラを大きくスライドさせることで観る人の想像力を刺激し、舞台を大きく見せると同時に、1カットを長くし、緊張感とこの映画の持つ孤独感を増幅させている。
花は散るからこそ美しい、と考える日本人ならではの美学を感じた作品。
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