2010年6月10日木曜日

めし

原作から映画が作られることは多いが、しっかりとした完成度を保っている作品は、意外と少ない。
多くの作品は、同じようなミスを犯してしまっている。そのミスとは、回収されない伏線の多さ。つまり、それは原作の情報量の多さを削り切れていない事からきている。

この作品は原作者が亡くなったために、原作が完成していない。そのため、結末を作る必要があった。
その結果、結末が浮いてみえてしまっている。原作は読んでいないが、おそらくラスト5分が映画用に作られた結末ではないか。むしろ、これを映像化するならば、ドラマ化するべきだった。

嵐はその後に晴れがくることの象徴、ネコは三千代の孤独の象徴として描かれている。
しかし、この終わり方にするならば、ネコが逃げてしまい、それでも三千代は笑っている。という終わり方でも良かった。

音楽の使い方も特徴的に感じた。夫婦ゲンカのシーンでは、スリラー映画のような音楽を使っている。このことで、不気味さまでも感じさせる。
また、川端康成が監修を担当しているだけあり、脚本、セリフのセンスは光る。

原節子さんの嫉妬の演技も素晴らしく、映画の質を高めている。
あんな態度をされるなんて。女性は怖い。

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