例えば、目の前に中身がわからない箱があれば、この中には何が入っているのだろうと考える。
生き物かもしれないし、機械かもしれない、爆弾かもしれないし、毒ガスかもしれない。何も入っていないという事だって考えられる。想像上の選択肢は無限にある。
ではもし、大きくなってきたお腹の中にいるのが、赤ちゃんではない可能性があったら?この映画は、妊娠している人には絶対に薦められない。ロマン・ポランスキー監督は、不安とともに大きくなっていく想像力をうまくついている。
環境の変化、自身の変化、徐々に広がっていく不安は、周囲の人間すべてを敵に変え、唯一信用できる自分自身の中に、信用できない物体が存在している。
また、ところどころで使われる時計のカチカチという音は、時間の経過とともに、やがてくる恐怖と不安に追い詰められていることを表現している。
ローズマリー役のミア・ファローは、キャスティング、演技ともに最高で、歴代の映画の中でもトップ3に入る演技だったのではないか。
音楽も一流で、この映画の持つ恐怖を、しっかりと支えている。
悪い結果であっても、自分が作った料理は美味しく感じるし、作ったものにも愛着が湧く。自分の中から生み出されたものは、どんなものでも愛情は生まれる。

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